ロッホローモンド 12年

2023年8月30日

基本情報

容量：700ml

アルコール度数：46％

種別：シングルモルト

産地：ハイランド

製造会社：ヒルハウス・キャピタルマネジメント社

実売価格：4000円前後

商品説明

今回は私が今一番コスパがいい蒸溜所だと思っているロッホローモンドのフラグシップボトル、ロッホローモンド12年をレビューします。

この12年はストレートネック、スワンネックのポットスチルで蒸留された4種類の原酒をバッティング。熟成はアメリカンオークのバーボン樽、リフィル樽、リチャー樽の3種類を使用。

フラッグシップらしいバランスの取れた銘柄で、ラベルにもこのボトルの特徴は「完璧なバランス」と書かれています。

東京ウイスキー＆スピリッツコンペティションTWSCにて3年連続金賞を受賞して殿堂入りしています。まぁ個人的にTWSC金賞は一回取るだけなら唐揚げグランプリ金賞みたいに参考にはならないかなと感じています。でも3年連続受賞となると中々凄いのではないでしょうか？

ロッホローモンド蒸溜所

ロッホローモンド蒸溜所は1965年にリトルミル蒸溜所の第2蒸溜所として開設されました。

モルト原酒は様々なタイプのポットスチルで原酒を作り分け、以前は「オールドロスデュー」「クロフテンギア」「クレイグロッジ」「インチファッド」など様々な銘柄を作り分けていました。しかしユーザーにはややこしく分かり辛かったようで、現在のオーナーに変わってからシングルモルトは「ロッホローモンド」に統一されました。（サブタイトルでインチマリンやインチモーンなど付くことはあります）

更に2007年から連続式蒸溜器も導入してグレーンウイスキーの製造を開始。一般的には穀物を原料に連続式蒸溜器でグレーンウイスキーを作るが、ここは麦芽を原料に連続式蒸溜器を使ってグレーンウイスキーを製造しています（※）。更に別の棟では一般的な穀物を使ったグレーンウイスキーも作っているそうで、それを合わせた最大生産能力は年間1000万ℓとスコットランドの蒸溜所の中でもトップクラス。

※スコットランドでは連続式蒸溜器で蒸留すると麦芽を原料としていてもモルトウイスキーとは名乗れないため。そのため連続式蒸溜器を使った原酒はシングルモルトには使われていない。別でシングルグレーンとして発売されています。

シングルグレーンだが原料は麦芽100％

ちなみに蒸溜所の名前は蒸溜所の近くにあり仕込み水を調達しているローモンド湖に由来します（ロッホ＝湖、入江）。

テイスティング

香り

ケミカル、バニラ、カスタード、洋梨、桃、グレープフルーツ。

ケミカルで甘くフルーティー。アルコール感もなく良い香り。

ストレート

ケミカルなジャム、ナッツ、蜂蜜、ミント、生姜、樽感、僅かにスモーキー。

ケミカルな、トロピカルとも感じる熟した甘いフルーツの中に樽の渋みや生姜やミントのアクセントが良い具合に効いている。

アルコール感は46度ということもありピリッとある。

少量加水で甘みが立ち刺激も無くなり飲みやすくなる。

ロック

アルコール刺激がかなり落ち着きスムースに。

桃のフルーティーさが際立ち、これは桃の天然水ですか？ってぐらい。

いやなビターさもなく誰でも美味しいと思えるロック。

ハイボール

ケミカルさや花のフローラルさが口と鼻に広がりそこから洋梨やグレープフルーツそしてナッツやバニラのクリーミィさが続きます。後半はオーキーでワクシ―。

全体的にまったり。余韻はさっぱりめ。

風味が複雑かつしっかりしていて飲みごたえがある。食後にじっくり飲みたい。

総合評価

ロッホローモンドらしいケミカルさがしっかり感じられてバランスも良い、正にローモンド入門にピッタリの一本。

46度でこの完成度で4000円はかなりコスパがいい。シングルモルト飲み始めの方にもオススメします。

これが気に入った方はこれを基準に、もう少し甘い方がいい方は「インチマリン12年」、スモーキーさが欲しいなという方は「インチモーン12年」と派生していくのが王道だと思います。私は両方めっちゃ美味しいと思うので3本買って飲み比べしても面白いと思います。

（ちなみに「ロッホローモンド10年」という日本未発売のシングルモルトがありまして、入手する方法が基本ネットしか無いのですが、赤いりんごのフルーティーさが美味しいウイスキーでハイボール好きにとてもオススメです）

最近どんどん美味しくなっているロッホローモンド、これからも注目していこうと思います。

香り		ケミカルフルーティー
ストレート		少量加水がうんまい
ロック		桃の天然水
ハイボール		飲み応え〇、スッキリさ×
総合評価		ケミカルさが大丈夫なら絶対に損しない銘柄