モンキーショルダー

 

 

基本情報

容量:700ml

アルコール度数:40%

種別:ブレンデッドモルト

産地:スペイサイド、ローランド

製造会社:ウィリアムグラント&サンズ

実売価格:3500円前後

 

商品説明

今回はグレンフィディックでお馴染みのウィリアムグラント&サンズ社が製造するモルト原酒のみのブレンデッドモルトウイスキーを飲んでいきます。

ウイスキー製造の中で大麦をモルト(発芽した大麦)に変える工程をモルティング(製麦)と呼びます。この工程の中で常に大麦を攪拌して酸素を常に供給することによって発芽を促進させるセクションがあるのですが、それを機械ではなく伝統的な人がシャベルを使って攪拌する製法をフロアモルティングと言います。これを行う職人(通称モルトマン)はその重労働から猿のような肩(なで肩)になってしまうそうで、これをモンキーショルダーと呼ぶそうです。そこから名付けれているんですね。

バルヴェニーのフロアモルティング

 

キーモルトはWG&Sが所有する「グレンフィディック」「バルヴェニー」「キニンヴィ」が使用されています。すべてスペイサイドの蒸溜所で通称「トリプルモルト」と呼ばれ、ボトルに張り付けられた猿のバッジが3匹なのもこれを表しているとされています。しかし現在はローランドに第4の蒸溜所「アイルサベイ」が稼働しているので、恐らくそこのモルトも使われているんじゃないかなと思います。

上記の蒸溜所の内、名前の由来となったフロアモルティングを行っているのはバルヴェニーのみ。しかしフロアモルティングをした付加価値の付いた原酒をわざわざ安価なブレンデッドに使ってるとは到底思えませんけどね。

余談ですが現在でもフロアモルティングを行う蒸溜所は数少なく、「ハイランドパーク」「キルホーマン」「ボウモア」などが知られています。そしてフロアモルティングで一番有名なのは「スプリングバンク」です。ここのウイスキーはフロアモルティングモルトを100%使用しています。こういった手間がかかっているから希望小売価格が高いんですね。

 

テイスティング

香り

青りんご、レモン、レーズン、樽香、ナッツ、コーヒーヌガー。

多少のアルコール臭はあるものの、華やかでフルーティー。少しの酸味が心地よい。

少量加水で更にフルーティーに。これは良き。

 

ストレート

まず口に含むと蜂蜜やレーズンの甘さが広がり、青りんごの酸味が追いかけてきます。中盤から樽やコーヒーのビターさとスパイシーさが目立ってきます。時折ハッカの爽快感もある。余韻も若干ビターさが優勢。

アルコール刺激はそれなり。中盤以降のビターさが気になる。

少量加水でビターさが緩和。これが正解じゃないかな。

  

ロック

香りは更に鋭く甘い香り立ちに。

味わいはビターさが少し落ち着いてカスタードの甘さが付与。また青りんごのフルーティーさが強調されました。余韻はぶどう。

ストレートに比べ相当飲みやすくなりました。しかし中盤のアルコール感は相変わらず残ってますね…。

 

ハイボール

一番は青りんごの軽やかなフルーティーさ。そしてモルトの風味にバニラの甘さも感じられてフィニッシュにはラムレーズン、余韻にはアーモンド。

グレンフィディック程ではないものの、青りんご感が心地よくとても飲みやすい。

 

総合評価

安価なNASですからやはり相応に若さはありますね。ストレートはそこそこ、ロックはまぁまぁでした。

ハイボールだと流石バランスを取ってるブレンデッドだけあってスペイサイドモルトらしいフルーティーさと心地よい甘さが初心者でも飲みやすいと思いました。若さは感じなくもないですが割っちゃえばそこまで気にならないですね。

でも3500円とか出してこの味求めるかって言われたら…う~ん…。たまに3000円以下で買えるお店やセールもあるので、それだったらコスパ重視でアリかなと。

最近ってブレンデッドモルトでも地域で分けたり、スモーキーだったり甘かったりけっこうキャラクターを立てて作ってる感じがするんですよね。その方が中身をイメージしやすいので売れるんでしょう(知らんけど)。まぁそれらは5000円以上してきますが。

モンキーショルダーは良くも悪くもバランス重視型で面白味に欠けますよね。もっと熟成感とトリプルモルトを押し出してスペイサイドらしさ全開だったら魅力上がると思うんだけどなぁ。3500円でこの味だと私はもう少し出して10年以上のシングルモルト、それこそフィディック買っちゃうなぁ。多くの方がそうじゃないですか、どうですか???

 

香り華やかでフルーティー
ストレートビターで若い
ロックビター緩和もアルコール先輩立ちはだかる
ハイボール飲みやすい
総合評価ボトルデザインとネームが良いだけに惜しい

 

今回紹介したウイスキー↓
(画像をクリックするとAmazonの商品ページに飛びます)

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この記事を書いた人

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