基本情報
容量:700ml
アルコール度数:46%
種別:シングルモルト
産地:日本
製造会社:キリンディスティラリー
実売価格:5500円
商品説明
「シングルグレーン」「シングルブレンデッド」に続き遂に発売されたキリンのシングルモルト。商品名にもあるように、最低熟成年数3年以上、糖化・発酵・蒸留・熟成・瓶詰めを国内の富士御殿場蒸溜所で行った正真正銘のジャパニーズウイスキーです。
このシングルモルト富士は年数表記のないNAですが、平均熟成年数は7年と言われています。熟成年数がすべてではないのですが、正直7年というのはシングルモルトにしては短いですよね。冷涼な気候の富士御殿場蒸溜所では温暖な気候のカバランやアメリカンのように熟成が早いわけではないですから熟成感がどれだけ出ているのかは気になるところ。
ジャパニーズウイスキーの世界的な人気を受けて「山崎」「白州」「余市」「イチローズモルト」なんかが慢性的に品薄が続いている中で、発売後も普通に売られている富士。なぜでしょうかね…やっぱりイメージですかね…サントリーはその辺のブランディング凄く上手ですからね(笑)。しかし富士も富士山が入ったボトルデザインや高級感のある箱は素晴らしいの一言。これ父の日や何かの記念でプレゼントしたら相当喜ばれるんじゃないかな?
欲を言えばコルクであって欲しかった…
富士御殿場蒸留所
富士御殿場蒸溜所はその名の通り富士山を望む静岡県御殿場市にあるキリンディスティラリーが所有する唯一の蒸溜所です。また操業が1973年と今年で50周年(ちなみに白州蒸溜所も同い年です)。
サントリーのように「山崎」「白州」「知多」と複数所有していない為、キリンはモルト原酒もグレーン原酒も一括してここで蒸留しています。また、蒸留から熟成、ボトリングまですべて一貫して行う複合型蒸溜所と世界でも稀な蒸溜所です。
富士御殿場蒸溜所はスコッチで用いられている伝統的な製法に加えて、アメリカンやカナディアンで用いられるグレーンウイスキーの設備や製法を導入しています。だから「キリン=グレーン」というイメージが付いているんですね。蒸溜所のポリシーも「クリーン&エステリー」とグレーン原酒に力を入れていることが伺えます。
モルトウイスキーの特徴としては一つ目に蒸溜後のニュースピリッツを50%に加水してから樽に詰める(通常は加水せずに樽詰めする)ことです。これによって品質が安定するそうです。
二つ目に180リットルと通常より小さなアメリカンオークのバーボン樽で熟成することで通常より原酒が樽に触れる機会が増やし、より樽からの影響を受けやすくしています。ですからキリンの製品は甘くてバニラやフルーティーなフレーバーが強いんですね。
そして得意のグレーンウイスキーにも勿論こだわりがあります。まず従来はサイレントスピリッツ(物言わぬ酒)とただの脇役と考えられてきたグレーンを味を決める大事な主役「キーグレーン」と考え、特徴的で風味豊かなグレーンを作っています。製法も通常の連続式蒸溜器だけでなくバーボンの製法も使用し、ライト・ミディアム・ヘビーと様々なタイプのグレーンを作り分けています。
これらの拘りによって「富士御殿場蒸溜所らしい味」が作られているんですね。こうやって知るとより富士が美味しく感じられそうです!
テイスティング
香り
メロン、溶剤、白ぶどう、洋梨、ビスケット、樽香。
フルーティーでエステリー。正にキリンらしい香り。
ストレート
ナッツ、バニラ、トロピカルフルーツ、ウッディ、モルティ。そして余韻はスパイシー。
若さと46度からくるアルコールの刺激がけっこう目立つ。そして余韻のスパイシーさも刺激的。全体的にもう少しマイルドだと嬉しい。
トゥワイスアップ
アルコール度数が高いので加水してみました。
香りは洋梨が増してメロンと溶剤が落ち着きます。
味わいはアルコールの刺激が丸くなり、青りんご、洋梨、バニラが増しました。余韻はビスケットのようなモルティな甘み。
ストレートで辛いという方は加水することをオススメします。
ロック
ちょい高級ウイスキーなので少量いただきます…
青りんごや洋梨のフルーティーな爽快さが強く、メロンやエステリーさは中盤に程よく感じます。余韻はビターにならずビスケットとバニラの甘み。
フルーティーさと甘さのバランスが良く、エステリーさも程よく楽しめるのでかなり好きですね。
ハイボール
メロン、溶剤、青りんご、ラムネ、バナナ、トロピカルフルーツ。
フルーティーな爽やかさもあるが、全体的にはどっしり系のハイボール。ビターさも感じられるが他のフレーバーが強いので良い感じにマスクされている。「メーカーズマーク」のハイボールをより濃厚にしてフルーティーさを足した感じかな?
個人的にあまり似たウイスキーが存在しない個性的な味わいで大好きですね。食中ではなく食後にじっくり飲みたいですね。
総合評価
どの飲み方も富士御殿場蒸溜所の良さは感じられました。しかし若く度数が高い故にストレートはアルコール刺激が気になりましたね。ロックとハイボールはその濃さと原酒の個性が残った若さが強みに変わって個性的な飲みごたえのあるものに感じられて美味かった。
恐らく誰が飲んでも美味しいと感じるのは「白州」「山崎」「余市」でしょう。だけども富士は富士の良さがあり、ウイスキーを飲み慣れた方や個性を求める一部の方にはとことん刺さるのではないでしょうか?
というかジャパニーズウイスキーが高騰する中で安定して定価で買えるというだけでもう大拍手ものです。確かに5500円という価格はNAにしては高いです。ですがアルコール度数46度、箱もボトルも高級感あって人気の国産ウイスキーでこの味と考えたらむしろ安いのでは?とさえ思えます(ウイスキー沼の住人の金銭感覚)。
私はとても気に入ったのでこのまま安定して買えることを願うばかりです。
香り | 正にクリーン&エステリー | |
ストレート | 若さと度数の高さが出ている | |
ロック | バランスの良いロック | |
ハイボール | 個性的で好きか嫌いか分かれる | |
総合評価 | 国産でこの味なのに5500円は安い |
ご覧いただきありがとうございました。
それでは皆様楽しいウイスキーライフを♪
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