ラフロイグ セレクト

 

基本情報

容量:700ml

アルコール度数:40%

種別:シングルモルト

産地:アイラ島

製造会社:ビーム・サントリー

実売価格:4500円前後

  

商品説明

前回のラフロイグ10年はファーストフィルのバーボン樽原酒のみでした。対してセレクトはPXシェリー樽、ヨーロピアンオークのシェリー樽、そしてバーボン樽原酒をバッティングした後にアメリカンオークの新樽で後熟したものです。

「何でシェリー樽使ってるセレクトの方が安いの?」と初心者の方は疑問に思うことでしょう。最近はバーボン樽も高騰しているうえに10年はファーストフィルのバーボン樽のみ。一方セレクトに使われているのはリフィルのシェリー樽・バーボン樽の可能性が高いので、一概にセレクトの方が樽にお金が掛かっているとは言い切れません。またセレクトは年数表記のないNASとなっています。

ラフロイグ蒸留所については前回の10年の記事にて触れていますのでよければご覧ください。

 

10年の代替品としてセレクトを検討している方も多いと思いますので、そういったことも念頭に置きながらテイスティングしてきたいと思います。

 

テイスティング

香り

バナナ、蜂蜜、ピート、炭、タイヤ、レモン、カスタード。

NASながらアルコール刺激は少な目。甘いバナナのクリーミィさ、そしてシェリー樽からくるゴムっぽさを強く感じます。ピートは遅れてやってくる程度でそこまで強くありません。そしてその奥にレモンの柑橘感。少し香り立ち弱い気もします。

加水でオレンジの酸味がチャージ。よりフルーティーになりました。

 

ストレート

まずアタックで優しいピートからやってきて、中盤にピーナッツチョコ、バナナの甘み、そしてフィニッシュに硫黄感・ゴムっぽさが感じられて、最後余韻にはスモーキーさからくる渋みが少し残ります。

40%加水らしくボディは軽めでアルコール刺激も控えめなのでスルスル飲めます。NASながら若さは感じないですね。反面複雑さやラフロイグらしさは10年の方が明らかに上。

加水でボディがスカスカになり、ラフロイグらしい鋭い牙が取れてしまった感が。私はオススメしないかな。

        

ロック

冷やすとカスタードの滑らかな甘い香りが強まりました。

味わいはピートがシャープになり、甘さが少し落ち着きました。しかし余韻の渋みが素直なピート香に変化。ゴム感も無くなった。

セレクトの個性でもあるフルーティーさや甘さが落ちたのは勿体ないと思いました。しかしセレクト特有のゴムっぽさが苦手だなと思った方はロックお勧めです。ロックが一番10年に似ている気がします。

 

ハイボール

青りんごのフルーティーさ、チョコレート、ピート、後半にスパイシーさ、余韻に蜂蜜が残ります。

10年は「個性も味わいもしっかりあるのに爽快に飲める」という相反することを両立した、とても飲みやすく美味しいものでした。反してこちらはシェリー樽原酒の影響なのかモタッとした重さがあり、爽快さはありません。このモタッとした甘さと重さ、そして優しいピートが好きな方もいるとは思います。

個人的には食後に単体でじっくり飲みたいですね。

 

総合評価

結論から申し上げますと10年が好きな方の受け皿としてセレクトが機能するかと聞かれたら「NO!」と私は答えます。「セレクトの方が断然安くて十分美味いからおすすめだよ」なんて話全く聞かないのも納得です。

同じ母から生まれたウイスキーとはいえやはりバーボン樽原酒のみの10年とシェリー樽原酒がしっかり効いてるセレクトでは千原せいじとジュニアぐらい違います。

私の感想は「原酒が少なくなってきたタイミングで出してきたNASらしい、原酒の豊かさや深みがあまり感じられない製品だな」と。辛口に聞こえるかも知れませんが現在4500円前後で更に4月には税込760円ぐらい値上がりしますからね!!同じシェリー樽原酒が使われているボウモア12年やベンロマック10年とさほど価格も変わらないとなると「う~ん…もう少しラフロイグじゃなきゃ駄目な個性や完成度が欲しいな」と思いました。

もう一度言いますが決して悪い銘柄ではありません。気になる方はハーフボトルが3000円前後で売ってるので、それを検討してみるのもいいかも知れません。割高に感じるかも知れませんが、4月以降はフルボトルが5000円超えると考えると全然いい選択肢だと思いますよ。

 

香り甘臭タイヤ
ストレート熟成感はしっかり
ロック一番10年に近い
ハイボールまったり重め
総合評価ラフロイグらしさは控えめ

今回紹介したウイスキー↓
(画像をクリックするとAmazonの商品ページに飛びます)

 

ハーフボトル⇩

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この記事を書いた人

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