基本情報
容量:700ml
アルコール度数:40%
種別:シングルモルト
産地:ローランド
酒齢:10年以上
製造会社:ウィリアムグラント&サンズ
実売価格:3800円前後
商品説明
アーストン(又はエアーストン)はアイルサベイ蒸溜所の初めて年数表記を冠したシングルモルトです。
最大の特徴はランドカスクとシーカスクという相反する銘柄があることです。
コレクション欲を刺激される…!
ランドとシーの違いについてはシーカスクの記事にて語っているので今回は割愛し蒸溜所の話へと進みます。
アイルサベイ蒸溜所
見た目からして効率的にウイスキー造ってそう(笑)
アイルサベイはウィリアムグラント&サンズ社にとって4つ目のモルト蒸溜所です。WG&Sはアイルサベイの他にスペイサイドの「グレンフィディック」「バルヴェニー」「キニンヴイ」に加えてローランドに「ガーヴァン」を所有しています。
ガーヴァンは1960年代のブレンデッドブームの原酒確保の為に1963年に建てられグレーンウイスキー蒸溜所。そして1966年から9年間のみ「レディバーン」というモルト蒸溜所が敷地内にありました。その後レディバーンはグレーン工場の拡張に伴って取り壊されてしまいます。そしてウイスキーブームに先んじて2009年に再びガーヴァンの敷地内に建てられたモルト蒸溜所がアイルサベイ蒸溜所です。その名はガーヴァン沖にあるアイルサクレイグ島から名付けられたそうです。
アイルサベイは非常に高い生産能力と近代的設備を有しており、年間生産能力は1200万ℓとスコッチ蒸溜所の中でもトップクラスでありながらオペレーションはたった1人。ノンピート、ライトピート、ヘビーピートの麦芽を使い、糖度も変えることで多様な原酒を作り分けています。
発酵槽は24基、ポットスチルは初留8再留8の16基
テイスティング
香り
麦芽、洋梨、ぶどう、カスタード、樽香、スモーキー
スモーキーさは強いもののそれ以上に麦芽やフルーティーな甘さを感じます。
アルコール感は少ないものの香り立ちはそこまで強くありません。スワリングで多少開いてきます。
ストレート
麦芽、カスタード、グレープフルーツ、ラムレーズン、バフ、スモーキー
飲み口は甘くフルーティー。遅れてスモーキーさがやってくる。余韻もスモーキーでオーキーな風味が続く。
全体的にオイリーでまったり。アルコール刺激はピリッとあるものの目立って嫌な部分がなく飲みやすい。
ロック
モタッとした甘さがシャープに。それに伴い麦芽感とスモーキーさが際立ってくる。ねっとりとしたクリームチーズの風味も出てきた。
ストレートの際にも感じた”甘さとスモーキーさの分離”がより明確に。一体感がない。
加水が進むと水っぽくなってしますので氷は小さめに。
ハイボール
飲み口はスモーキーさと程よい甘さフルーティーさが広がるが、後半は味わいがシュンと消えてしまい淡泊な印象。
そのためスモーキーハイボールにしてはクドさがないので暑い日には飲みやすい。
裏を返せばリッチさが足りない。面白くない。ストレートのオイリーさどこいったし。
総合評価
相反するボトルをリリースするコンセプトは面白いですし、2007年創業と比較的新しい蒸溜所のモルトがこんなに安価で買えることは凄いことだとは思います。
しかし流行りのスモーキーな銘柄でありながらあまり話題にならないのは「それ程の味ではないから」なんですかね。今の時代リニューアル品や新銘柄が美味しければすぐに話題になりますからね。バスカーやアラン、ロッホローモンドなんかが良い例です。
個人的にはとにかくスモーキーが好物な方にはランドカスク、それ以外の方にはシーカスクをお勧めします。どちらもストレートが一番美味しいです。ハイボール好きの方々にはどちらもお勧めしません。
しかし言いたいのはキャラクターは違えどやはり兄弟なんだなという共通した香味を見つけることができますので、気になる方は両方購入して飲み比べしてみて下さい。
香り | 香り立ちは弱め | |
ストレート | バランス良く飲みやすい | |
ロック | 味の一体感が欲しい | |
ハイボール | 後半の淡泊さが気になる | |
総合評価 | コンセプトは面白い |
ご覧いただきありがとうございました。
それでは皆様楽しいウイスキーライフを♪
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