グレングラント アルボラリス

 

基本情報

容量:700ml

アルコール度数:40%

種別:シングルモルト

産地:スペイサイド

酒齢:NAS

製造会社:カンパリ社

実売価格:3000円前後

  

商品説明

今回はグレングラント蒸溜所の大人気エントリーボトルをテイスティングしていきます。

発売当初から2000円台という安さと初心者でも飲みやすいその味で人気を獲得。発売から2年が経った今でも人気は衰えるどころかむしろ近年のシングルモルトの高騰を受けて更に売り上げを伸ばしているのではという印象。

シングルモルトで入手性が高く2000円台で買えるとなると「グレンターナー ポートカスクフィニッシュ」が挙げられます。こちらも美味しくてコスパのいいシングルモルトですが、販売店舗数、ネームバリューや蒸溜所が不明であるからアルボラリス程は人気を獲得出来ていません。

今のところは2000円台シングルモルトは完全にアルボラリス一強と言えましたが…2023年10月出荷分から500円の値上げというのとで今後どうなるのでしょうか?

ご存じの方も多いでしょうがアルボラリスとはラテン語で「木漏れ日」のことです。ラテン語である理由は製造元のカンパリ社がイタリアの会社であり、尚且つグレングラント自体がイタリアでのシングルモルト販売シェア率70%という圧倒的な支持を得ている為だそうです(イタリアでは俗ラテン語が公用語だった時代があり、現在のイタリア語も非常にラテン語に似ている)。

 

グレングラント蒸溜所

 

グレングラントは1840年にスペイサイドのローゼス地区に建てられた歴史ある蒸溜所。その名は創業者のグラント兄弟から付けられました。

そんな蒸溜所を飛躍的に成長させたのが創業者の跡継ぎである二代目のメージャー・グラント(※1)。彼は多くの趣味と共に旅行を愛し、世界を飛び回っていました。

そんなグローバルな視点と先見の明があった彼はウイスキー蒸溜所の中で最も早く蒸溜所を電化。当時のスペイサイドモルト(※2)は現在と違い石炭直火蒸溜を行い更には麦芽にピートを焚いていた為、ヘビーでピーティーな酒質でした。

彼はそれを嫌い電気の力でポットスチルを加熱し、ノンピート麦芽を使用。更には精留器(ピュリファイアー)を取り付けることで現在我々が知るスペイサイドモルトらしいエステリーでスッキリとしたウイスキーを作り上げました。現在でもグレングラント蒸溜所ではすべてのポットスチルに精留器が付いています。

現在のグレングラントの主なラインナップは「アルボラリス」「10年」「12年」「15年」「18年」「21年」となっています。今回紹介するアルボラリスはリフィルのバーボン樽とシェリー樽のバッティングです。

※1…メージャーは蒸溜所の背後に3万3000坪(東京ドーム2つ分)のヴィクトリアガーデンを作り、そこには花だけでなく果樹も植えられていた。当時ここまで美観に拘った蒸溜所は無いに等しかった。現在でもここまで立派な庭がある蒸溜所は珍しく、彼の先見性が見て取れる。

 

※2…当時はスペイサイドという括りが無くハイランドの一部だった。

 

テイスティング

香り

蜂蜜、りんご、洋梨、カスタード、樽香、僅かにレーズン

THEスペイサイドな香り。粒立てて言うことも無いというか…平均的。

 

ストレート

蜂蜜、シュガーシロップ、カラメル、青りんご、洋梨、焦がした木

全体的に甘く、そしてフルーティーで華やか。後半は焦げた樽のウッディさ。アルコールの角は取れている。

これが2500円で飲めるのであれば文句はないでしょう。

 

ロック

飲み口の蜂蜜の甘みは変わらずりんご感と樽のタンニン感が強調された。

しかしそこまで渋い飲みにくいということはなく、ロックのビターさに慣れている方にとっては許容範囲内でしょう。しかしロックで加水されている割にはアルコール感は残ります。

加水が進むと更にタンニン感が増します。私は大丈夫ですが人を選ぶでしょう。

 

ハイボール

 

すりおろし林檎、ぶどう、優しい蜂蜜、心地よいビターなウッディさ。

飲み口はフルーティーでさっぱり、後半がビターで後味はまろやかで心地よい。

ビターさが少し気になったかな。食事に合わせるのにはとても良さそう。

  

総合評価

定番のシングルモルトに比べると特段個性があるわけではないものの、デイリーウイスキーとして飲む分には何も過不足なかったです。NAにしてはアルコール感も少なかった。

2500円でこれだけの味を出してきたらそりゃ人気が出るに決まってるよねというレベルの完成度でした。しばらく2000円台のアルボラリス一強は続きそうですね。

ちなみに私はハイボールであればグレングラント10年の方がよりフルーティーで好きですね。価格も3000円強とお求めしやすいです。アルボラリス気に入った方は是非手を出しやすい10年も挑戦してみて下さい。

  

香りよく嗅ぐ香り
ストレート価格以上に美味い
ロック人を選びそう
ハイボール後半のビターさが少し気になる
総合評価2500円でこれなら文句なし

今回紹介したウイスキー↓
(画像をクリックするとAmazonの商品ページに飛びます)

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この記事を書いた人

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