ロイヤルロッホナガー 12年

 

基本情報

容量:700ml

アルコール度数:40%

種別:シングルモルト

産地:ハイランド

酒齢:12年以上熟成

製造会社:ディアジオ社

実売価格:4000円前後

  

商品説明

ロイヤルロッホナガー蒸溜所はウイスキーの最大手ディアジオ社が所有しています。ディアジオは現在31のモルト蒸溜所を所有していますが、この蒸溜所の生産能力はその中で最小の年間50万ℓ(最大はローズアイルの1250万ℓ)。これはここ数年全く売っているのを見ないスプリングバンク蒸溜所の75万ℓよりも少ないんです。

ポットスチルはこの2基のみ、左が初留で右が再留

 

それでいて原酒の9割以上がウィンザー(韓国で人気のブレンデッド)やジョニーウォーカーにも使われていますから、シングルモルトに回されるのは年間5万ℓ程度。これはあの農家が副業でやっているダフトミル蒸溜所の6.5万ℓよりも少ないわけです(年に2回だけリリースされるシングルモルトは都市伝説レベルで買えません)。
それなのになぜロイヤルロッホナガーは普通に買えるのでしょうか?知名度?普通に考えたら人気が無い?

その歴史は1845年にまで遡り、建設当時はロッホナガーという名前でした。建設から3年後ヴィクトリア女王がすぐ近くにあるバルモラル城を購入し別荘としたそうなのですが、この時オーナーが女王へ「蒸溜所に見学しに来ませんか?」と手紙を送ったそうです。すると早速翌日には女王御一行が来場して見学を楽しんだとのこと。女王なのにフットワーク軽すぎです(笑)
その後女王はロッホナガー蒸溜所を気に入り「ロイヤルワラント(王室御用達の勅許状)」が発行されまして、現在のロイヤルロッホナガーに名称変更したわけですね。

現在のラインナップはこの12年のみ。ボトラーズからはたまに10~20年熟成物のリリースがあります。

 

テイスティング

香り

フルーツキャンディ、苺、オレンジ、洋梨、レーズン、樽香、蜂蜜、麦芽、ワックス。

複雑な香りで全体的にはシャープな香り立ち。

ちょっとアルコールの刺激はあるものの、とても良い香り。

 

ストレート

 

苺、洋梨、シロップ、蜂蜜、チョコ、麦芽。

オイリーでスパイシーでドライ。モルティでウッディでほんの少しだけスモーキー。

しとーっと旨味が広がってスッと消える印象。アルコールの刺激は無いに等しい。

個性的というより優等生。

 

ロック

 

冷やすと苺、洋梨、オレンジといったフルーティーな香りが立ってきました。

しかし飲んでみると一番印象的なのはウッディさとスパイシーさ。ワクシ―さも強めですね。そしてオレンジや洋梨、ダークチョコレート、麦芽、フィニッシュはまたスパイシー。余韻にはフルーティーさが残ります。

加水が進んでもボディが崩れずフレーバーをしっかり感じます。

ビターさは控えめでアルコール刺激もなく飲みやすい。香りも素晴らしい。これは良いものだ…!!

 

ハイボール

 

まず強めの蜂蜜の後にやはり心地よいウッディさとスパイシーさ。シェリー感のあるレーズンやワックス、洋梨やオレンジのフルーティーさ、フィニッシュはまた蜂蜜で後味は比較的スッキリ。

ソーダで割っても様々な要素が感じられて美味しい。だけど分かりやすい個性は無い感じ。薄く作ると甘さが足りず、少し飲み辛いかも。1:3〜1:2.5で濃いめに作って食後にじっくり味わいたいですね。

  

総合評価

シングルモルトが高騰する中で今や12年物で4000円というのは最安価な部類です。それでいて入手性と複雑さ滑らかさを兼ね備えている素晴らしい銘柄

フィディックやタリスカーなんかと比べたら分かりやすさや尖った個性がないので掴みどころが無いとも言えます。またスパイシーさやワクシ―さは人によって好みが別れる要素でもありますね。

だからこそ私は初心者の方が次のステップに進むために購入するのに最適だと思います。ストレートは滑らかで飲みやすくロック、ハイボールとどれも美味しい。

この完成度の王室御用達ウイスキーがこの価格というのはにわかに信じられません。今まで何となく避けていた方も騙されたと思って買ってみて下さい。

 

香り少し刺激も良い香り
ストレート複雑でさっぱり滑らか
ロック冷やすと良さが際立つ
ハイボール濃いめでじっくり飲みたい
総合評価ロイヤルの名に恥じない美酒

今回紹介したウイスキー↓
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この記事を書いた人

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