基本情報
容量:350ml
アルコール度数:9%
原酒産地:日本
製造会社:サントリー
店頭実売価格:660円
商品説明
サントリープレミアムハイボール〈白州〉は6月6日に全国で発売される白州蒸留所の原酒を使ったハイボール缶です。サントリーのウイスキー造り100周年を記念した数量限定商品であり、660円という一般的な缶入りアルコール飲料の3倍以上はする価格から相当話題を呼んでいる製品になります。
公式サイトには「ハイボールに合う白州モルト原酒のみを厳選し、心地よいスモーキーな香りとフルーティな味わいが特長です。グラスに氷を入れておいしくお飲みいただけるようブレンドしました。」とあるように、同じ白州蒸留所のモルト原酒を使っている「白州NA」や「白州12年」に使われている原酒とは違う、あくまでハイボール缶専用の原酒をソーダで割った製品であることが伺えます。
※白州NA…白州ノンエイジの略。年数表記のない一番見かける通常の白州のこと。
無粋な計算ですが、9%の350ml缶に含まれるウイスキーの量は仮に40度と仮定した場合、大体2.6ショット、つまりウイスキー78ml相当が含まれていることになります。現在「白州NA」の定価が税込4950円なので78mlの価値は551円分。原酒が違うので単純に551円分のウイスキーが入っているとは言いませんが、660円という価格は妥当なのかも知れません。何より現状白州は中々定価で手に入りませんからね汗
この記事は初心者の方も読む可能性があるので「原酒が違うって何?」という疑問について説明しますと、仮に白州蒸留所が牧場だったとして、同じ牧場の牛肉でも味の違いってありますよね?個体差、年齢、品種、餌、雄雌etc…様々な要因で味が変わります。そこでスーパーにはあまり美味しくない牛肉を安く卸そう、高級飲食店にはA5ランクの良い肉を卸そう、なんてことが行われています。
同じようなことがウイスキーでも起きます。熟成年数、樽の種類、環境、個体差などの原酒の出来によって「これは出来がいい原酒だから白州12年に使おう」「これはイマイチだがソーダで割れば美味しいのでハイボール缶の原酒にしよう」という具合です。なので一口に白州と言っても製品によって味が違う、ということを覚えておいてください。
ウイスキーが入っている樽一つ一つが全く違う味なんです
この製品の原料は白州蒸留所のモルト原酒とソーダのみ。つまり白州蒸留所のシングルモルトをソーダで割っていることになります。ありそうで無かったシングルモルトのハイボール缶ということでワクワクが止まりません!!
それでは公式が推奨する通り半分は氷を入れたグラスに移して、もう半分は缶のまま飲んでテイスティングしていきたいと思います。今回は比較の為に「白州NA」のハイボールも飲んでいきます。
テイスティング
白州NAで作ったハイボール
まず口いっぱいに青りんごが広がって、バニラ、ナッツのクリーミィさと薄っすらスモーキーさ。白州らしい森感(ヒノキのような風味)もしっかり感じます。余韻には青りんごが残ります。
すっきり爽やかなんだけど適度に飲みごたえもあります。もうこれは”白州味”と言ってもいい程に独自の世界観を持っていて、誰が飲んでも美味しいハイボールだと思います。
白州ハイボール缶(氷入りグラス)
まず缶を開けると通常の白州ハイボールと比べて柑橘系のフルーティーさとスモーキーさが増しているのが香りから伝わってきます。この時点でやはりボトルの白州NAとは全く別の原酒であることが伺えます。
更に口に含むとその違いは明確でNAと比べてよりスモーキーで樽の印象が強いです。他には薄っすらバニラやオレンジ等が感じられます。
反面青りんごやナッツの風味は控えめで、爽やかというより若干ヘビーなハイボールに仕上がっています。
9%の割にアルコール感はあまり無くスイスイ飲めてしまうので非常に危険です(飲み過ぎ注意)。
白州ハイボール缶(缶直飲み)
缶にはグラスに注ぐよう書いていますが…
直飲みすると薄まらないのでよりスモーキー&ウッディさがダイレクトに感じられて更にヘビーで飲みごたえのあるハイボールに感じます。また、スモーキーさにピート香(磯っぽい香り)があるのは気のせいでしょうか?
薄まっていない分だけアルコール感もダイレクトに感じてしまうので、少し飲みにくさはあります。
ここからは私の勝手な考察ですが、現在は白州蒸溜所も原酒不足真っただ中ですからハイボール缶用の原酒を確保するのは大変だったことでしょう。故に今回使われている原酒は熟成期間も短く、樽もバーボン樽などではなく新樽を多く使っているのではないかと予想します。そうすることで樽からの香味の影響は少なく、本来のスモーキーさが残り、新樽由来のウッディさも付加されると。なるほど。単に若い原酒でチープに仕上げるのではなく若いからこその強みを生かそうという逆転の発想ですね(アードベッグ5年ウィービースティーがいい例ですね)。そして若くても白州らしさがしっかり出ていて美味いという、白州蒸溜所のポテンシャルの高さを再確認できるハイボール缶でした。
総合評価
間違いなく「白州」「白州12年」とは違う原酒が使われており、これらを飲んだことのある方でも新鮮な気持ちで飲むことができるハイボール缶です。「白州は持ってるからパス」といって買わないのは勿体ないです。
660円という価格は確かに高いです。私も安月給サラリーマンなんで何本も買おうとは思いません。しかしサントリーの100周年記念商品であること、現状白州が定価では手に入らないこと、そして何より通常の白州では味わえない魅力があり、今後この味は二度と経験することが出来ないこと等を加味すると奮発して一度は飲んで欲しいなと思う製品でした。
ただし味わいに関しては後半のウッディさが飲みづらさに感じる人は多いでしょう。飲みやすさは断然ボトルから作った白州ハイボールに軍配ですね。そしてコンビニで180mlボトルが買えたのなら是非飲み比べをして欲しいですね!
8月8日には山崎蒸留所のハイボール缶が同じ660円で発売します。山崎蒸留所と言えばシェリー樽やワイン樽で熟成した原酒が多く、あまりハイボールには向かないウイスキーの印象があります。しかし今回のようにハイボールに合う原酒を厳選して作ってくれると思うと否が応でも期待が高まります。
これはウイスキー好きの為の一種のお祭りなんで、皆さんも飲んで感想をヤイノヤイノ言っていきましょうじゃないですか!!祭りは楽しんだ者勝ちですからね!
香り | 缶とは思えない香り立ち | |
テイスト | スモーキー&ウッディ | |
入手性 | 高価なうえに品薄必須 | |
総合評価 | 見つけたら一度は飲んで欲しい |
ご覧いただきありがとうございました。
それでは皆様楽しいウイスキーライフを♪
今回紹介したウイスキー↓
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