基本情報
容量:700ml
アルコール度数:40%
種別:ブレンデッド
産地:スコットランド
製造会社:ジョン・デュワー&サンズ
実売価格:2600円前後
商品説明
ボトルデザイン変更と共に味わいも大きくリニューアルしたデュワーズ12年を旧ボトルと比べながらレビューします。
一般的なブレンデッドは樽から出した原酒をブレンドしてそのままボトリングしますが、デュワーズの「ダブルエイジ製法」はブレンドした後にもう一度樽に詰めて熟成します。このことによって滑らかで調和のとれた味わいになるそうです。
そしてこの新しい12年では再度詰めて熟成する際に1stフィルのバーボン樽を使用していることが大きな特徴です。1stフィルは元々入っていたお酒の影響が一番出る状態の樽ですから、バーボンの個性がけっこう出てそうですね。
またボトルデザインも大きく変わりました。透明瓶になり、銅を想起させるラベルに変更。個人的には新ボトルの方が好きですね。他のデュワーズと並べた際に統一感があるので。
テイスティング
香り
バーボン樽由来のバニラがかなり強く出ています。他にもバームクーヘン、蜂蜜、アーモンド、洋梨、奥にスモーキーさを感じます。
アルコール刺激は許容範囲。洋菓子のニュアンスが全面に感じられて甘いウイスキーが好きな方にはたまらない。
ストレート
舌に触れた瞬間にピリッと刺激を感じてからバニラ、レモンの皮、カモミールティー、蜂蜜、僅かにスモーキーさ。
全体的にライトで香りほど甘くはなくビターさの方が優位かな。
旧ボトルのドシッとした重厚感やクリーミィさは無くなりライトで若さを感じる味わいに。ライトで飲みやすいウイスキーが好きな方であれば新ラベルの方が好みでしょう。
加水
香りではオレンジが立ってきました。
味わいはスパイシーさとスモーキーさ、そしてアルコールが目立ちます。
ストレートに比べより安っぽい1000円台のスコッチのような味になっちゃったな、という印象。
ロック
香りは黒糖などの黒い甘さが強まりバニラが後退。
味わいでも黒糖や蜂蜜などの自然由来の甘さが優位になり、スパイシーさやバナナのクリーミィさを感じます。フィニッシュには相変わらずほのかなスモーキーさ。
ストレートより若さがカモフラージュされていて私は好きでした。加水される分だけ飲みやすく、嫌なビターさも目立ちません。
ハイボール
香りは軽快なフルーツを感じます。
味わいはまずバーボン樽由来の大雑把なバニラだったりメロンの甘さがブワッと広がります。続いて薄っすらですがぶどう、青りんご、麦芽。余韻は心地よいビターさ。
まず1:3で割っても味の輪郭がハッキリしない、言っちゃうと薄いですね。最初のバーボン樽感もわざとらしく、ライトで飲みやすいものの12年熟成に求める味わいではないかな。
総合評価
シーバス12年やジョニ黒も現行に移行した際に味わいがハッキリと変わりましたが、このデュワーズ12年は方向性からしてガラッと変わった印象でした。共通点はあるにはあるのですが、旧ボトルファンが飲んで喜ぶ味わいではないですね。
旧ボトルはドシッとしていて飲み応えがあり、穀物のコクや蜂蜜の甘さが特徴。ヘビーな酒質でジョニ黒なんかと比べたら飲み手を選びます。ハイボールは食後に飲みたい。
対して新ラベルはバーボン樽の要素がかなり強く、酒質はライト。同じ12年熟成表記でも使われている原酒の平均期間が短いのか若さをけっこう感じます。印象に残らない味わいなのでハイボールは濃いめに作るか食中に飲みたい。
個人的には12年物に求めるのは「1000円台のNASに無いリッチさ」ですから、若くて味わいもフワッとしてる新ラベルに対して2600円払うかと聞かれたらNOです。
香り | 甘くて好き | |
ストレート | 若さを感じる | |
加水 | 安っぽい味 | |
ロック | 一番若さが誤魔化される飲み方 | |
ハイボール | 薄味の中でバーボンのわざとらしさが悪目立ち | |
総合評価 | 名前を「デュワーズ8年アメリカンスムース」に変えたほうがいい |
ご覧いただきありがとうございました。
それでは皆様楽しいウイスキーライフを♪
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