基本情報
容量:700ml
アルコール度数:40%
種別:ブレンデッド
産地:スコットランド
製造会社:ジョン・デュワー&サンズ
キーモルト:アバフェルディ
店頭実売価格:2400円前後
商品説明
「スコッチウイスキーと世界の樽を融合させることで、思いがけない新しい発見を。」をコンセプトに生まれたデュワーズの比較的新しいラインナップ群、カスクシリーズ。その第2弾として発売されたのがイリーガルスムースです。
シリーズラインナップは発売順に以下の通り(④⑤は2023年5月時点日本未発売)。
①カリビアン:ラム樽
②イリーガル:メスカル樽
③ポルトガル:ポートワイン樽
④ジャパニーズ:ミズナラ樽
⑤フレンチ:カルヴァドス樽
③や④は比較的聞きますが、①②⑤はかなり珍しいですよね。それを通年発売するというのは非常に面白い試みだと思います。近年の長期熟成原酒不足の打開策として、熟成期間が短くても魅力的で価値の高い商品が必要だったのかも知れません。8年っていうのが絶妙ですよね(笑)
カスクシリーズも8年以上熟成されたモルト&グレーン原酒をバッティングした後にもう一度樽に詰めて熟成する「ダブルエイジ製法」を採用。カスクシリーズの場合はバッティング後に上記の樽でフィニッシュしていることになります(※メスカル樽に入れて8年以上熟成させている訳ではありません)。
メスカルとテキーラの違い
メスカル、テキーラの原料のアガベ
メスカルもテキーラも原材料にリュウゼツラン(アガベ)を使用したメキシコ特産のスピリッツです。ではその違いは何なのでしょうか?
調べてみたところ、まず使えるアガベの種類が違うようです。
メスカル:52種類のアガベの使用が認められている
テキーラ:「アガベ・アスール」という品種のみ使用できる
アガベの球茎部(ピニャ)を収穫して加熱処理するのですが、ここにも違いがあります。
メスカル:直火で蒸し焼き(ロースト)
テキーラ:蒸気で加熱
これによってメスカルにはテキーラにはないスモーキーな要素が形成されます。また、メスカルの大半が樽熟成は行わずにボトリングされるそうなので、メスカル樽というのは数が少ないのかも知れません。
ちなみに原材料のアガベの栽培期間は一般的なもので7年、長いものだと30年だそうです。
香り
スモーキーさがけっこう強く、続いてバニラ、レーズン、オレンジやレモン、そしてスパイシーさを感じます。
アルコール感は少なく、シャープな香り立ちです。
ストレート
まずバニラの甘さと燻製のようなスモーキーさが強く、若干のフルーティーさも感じられます。フィニッシュにかけてスパイシーさと何とも表現しがたい独特の癖が出てきます。全体的にアルコールの角は取れています。
メスカル樽で後熟したことによるフレーバーが結構ハッキリ感じられるので面白いです。
ロック
甘みとフルーティーさがよりシャープになり、遅れてスモーキーさがやってきます。フィニッシュにおまけ程度のメスカル樽の要素が残ります。
正直ストレートよりイリーガルスムースの個性が減って平凡になったという印象です。
ハイボール
甘みが抑えられて、その分フルーティーさが前面に感じられます。そしてメインは独特の癖を持った燻製のようなスモーキーさ。最後にしっかりメスカル感も残りますし、イリーガルスムースの良さを堪能できる飲み方かなと思います。
ただし、甘さがかなり抑えられる点から人を選ぶかも知れません。食事には合いますが、癖が強いので何杯も飲める感じではなかったです。
総合評価
後熟ながらしっかりとしたメスカル樽の要素を感じれる、とても面白い銘柄でした。熟成感もある程度ありますし、ストレートで十分飲めるのも高評価。
しかし、このスモーキーさや独特の癖が苦手だという人が多いだろうと容易に想像できます。私自身飲むタイミングを選ぶ銘柄という印象を持っていますし。ですから様々なウイスキーを飲んでて、更に個性的な銘柄が飲みたい方、探求心が尽きない方にのみオススメします。
私個人的にはメスカル樽のウイスキーなんて滅多にリリースされないので、興味がある人は無くなる前に経験として飲んでみた方がいいのではないかなーと思います。まだまだ店頭でもネットでも売れ残っていますが、第一弾のカリビアンスムースのように突然市場から無くなるかも知れませんからね。
香り | シャープな甘さ、柑橘、スパイシーさ | |
ストレート | 個性的だが飲みやすい | |
ロック | 個性が失われ平凡になる | |
ハイボール | スモーキーさとメスカル感強調 | |
総合評価 | 安価ながらメスカル感をしっかり感じられる |
ご覧いただきありがとうございました。
それでは皆様楽しいウイスキーライフを♪
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