タリスカー 10年

 

基本情報

容量:700ml

アルコール度数:45.8%

種別:シングルモルト

産地:スカイ島

製造会社:ディアジオ

実売価格:4500円前後

   

 

商品説明

タリスカー10年はアイランズを代表するシングルモルトで、世界でも日本でも大人気のウイスキーです。

特にウイスキー好きから「タリソー」と呼ばれるハイボールが人気で、それにブラックペッパーをかけた「スパイシーハイボール」はその手軽さと美味しさからポピュラーな飲み方として定着しています。

 

タリスカーはディアジオが所有する30以上の蒸留所の中でシングルモルト売り上げNo.1。全シングルモルトの中でもトップ10に入るほどの人気。そしてクラシックモルトシリーズにも選ばれ、ジョニーウォーカーの原酒としても使われるなどディアジオにとって欠かせない蒸留所となっています。

実売価格は4000円台前半でしたが今年に入って少しずつ上昇。背景には円安と物価高、そして4月の値上げ(660円)前の駆け込み需要が影響しているのかも知れません。

 

タリスカー蒸留所

タリスカーは1830年創業。2017年にトラベイグ蒸留所ができるまではスカイ島唯一の蒸留所でした。

スカイ島はスコットランド本土の北西にある島で人口は1万人ほど。小さいように見えて面積は沖縄本土の約1.4倍。主な産業は観光、農業、漁業、ウイスキーなど。一番の町は「ポートリー」でタリスカーの商品名にもなっています。スカイは空という意味ではなくSKYEでゲール語の「翼」を意味し、島の形を表しているとされています。別名「霧の島」。

 

スカイ島の「オールドマン・オブ・ストー」。ゲームの世界かな?

 

タリスカーの由来はゲール語の「傾いた大岩」とノース語の「斜面上の大岩」から。

仕込みに用いるのは75%がヘビリーピーテッド麦芽、25%がノンピート麦芽で、その平均フェノール値は20~25%。アイラでいうとこのボウモアぐらいのスモーキーさ。そして熟成に使われる樽の多くがリフィル樽。当然スカイ島で熟成される…のかと思いきや大半がスコットランド本土の熟成庫に運ばれるそうです…。

冷却水不足に悩まされていましたが、数年前に海水を使って冷却するシステムを導入したことで問題が解決。現在は年間生産能力は330万リットルに。その効果もあって売上本数を爆発的に伸ばしているのですね。

更にトリビアになりますがタリスカーシリーズは大いにして45.8%という中途半端な数字でボトリングされているの、不思議じゃないですか?これをUKプルーフ(バーボンなどのUSプルーフとは別物)に置き換えるとちょうど80プルーフとなります。

 

テイスティング

香り

ピート、黒糖、ラベンダー、カツオだし、きな粉、僅かにスパイシー。

香り立ちは少し弱め。アルコール感は抑えられており、甘さを強く感じます。

加水で更にまったりとした黒糖や蜂蜜のあま~い香りがアップ。グレープフルーツの酸味も追加。

 

ストレート

まず口にするとアルコールのピリッとした刺激を感じて黒糖のような甘さ、ピートスモーク、僅かにスパイシーさとシトラス。フィニッシュから余韻にかけて甘さとスモーキーさがせめぎ合い、最終的に甘さが残ります。

45.8%で比較的若い10年熟成とはいえ少し刺激が強いですね。そして全体的に複雑というより少し単調ですかね。スモーキーでかなり甘い。タリスカーの特徴ともいえるスパイシーさは落ち着いてました。甘いウイスキーが好きな方であればバッチリ好きになれると思います。

加水でアルコール刺激が和らぎ、更に甘みが増した印象。鼻から心地よいスモーキーさが抜けていく。ボディが加水に負けないので私は加水が激オススメです。

        

ロック

香りはスモーキーさが抑えられてカスタードが全面に。

味わいは少しビターさが出てきたものの、基本はストレートの延長線上。輪郭がシャープに。甘さはしっかり残ります。ストレートより刺激が無くなった分だけこちらの方が美味しいと思いました。

 

ハイボール

香りはピートの中に軽めの甘さを感じます。

味わいもこれまで同様に甘さとスモーキーさがフィニッシュまでスーッと続いて、間に樽感や熟したフルーツ、ナッツを感じつつ最後には黒糖の甘さが残ります。

45.8%ですがタリスカーらしく軽くて飲みやすい印象でした。スパイシーで複雑だった旧ラベルより分かりやすい味わいなので初心者にはもってこいかも知れません。しかしタリスカーと言えばのスパイシーさは鳴りを潜めちゃいましたね。

試しに黒胡椒のスパイシーハイボールを作りましたが、スイカに塩を振る感じでスパイシーさが増すというより甘さがより際立った感じがします。これは単品でしっかり味わって飲みたいですね。

  

総合評価

タリスカーらしさは落ち着いたものの、相変わらずタリソーは飲みやすくて適度にスモーキーさが感じられる。大人気なのも納得の味でした。ロックやトゥワイスアップも悪くなかったです。ストレートだけがけっこう刺激が強かったので残念ですけども。

これまでは4000円前後と年数表記のシングルモルトとしては安価な部類で気軽にハイボールにできることも人気の要因でした。しかし物価高と今回の値上げで5000円程になったらそれが崩れるのでこれからウイスキーを買い始める方には少しオススメしづらいかなと感じました。なので4000円ぐらいで買える今のうちに買った方がいいですよマジで。

個人的にはタリスカーはいつまでもフィディックやモーレンジィと同じように「いつでも気軽に飯に行ける友達」的存在であって欲しいです。ラフロイグのように「あいつ遠い存在になっちゃったな…」ってなるのだけは勘弁してくれ…(泣)

 

余談ですが私は旧10年がウイスキーの原体験の一部なので特別思い入れがありましてね。それと比べた時に新ラベルは甘く単調で正直あまり好きではないんですよね。ですので今回は少し辛めの評価になっているかも知れません。たった5年しかウイスキーを飲んでいない若輩者の私も知らぬ間に「懐古おじさん」になってしまったということですね(汗)

 

香り香り立ち弱め
ストレート刺激強め、加水が吉
ロックシャープにマイルドに
ハイボールタリソーはやっぱ美味しい
総合評価5000円での評価
4000円なら☆4以上付けたい

今回紹介したウイスキー↓
(画像をクリックするとAmazonの商品ページに飛びます)

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この記事を書いた人

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