カバラン ディスティラリーセレクト No.1

 

基本情報

容量:700ml

アルコール度数:40%

種別:シングルモルト

産地:台湾

製造会社:金車カバラン

店頭実売価格:4800円前後

 

商品説明

いきなり残念なお知らせですが、2023年6月からカバランが値上げを行います。このNo.1(とNo.2)は税込みで約500円と上げ幅は10%程なんですが、他のラインナップはもっとエグくて30%程値上がりするものもあります…元々カバランは高級路線なのに今回の値上げで庶民には到底手が出せないブランドになっちゃいましたね…。

そんな高嶺の花であるカバランで一番安価で手に取りやすいボトルがディスティラリーセレクトのNo.1とNo.2です。

今回紹介するディスティラリーセレクトNo.1がリフィルのバーボン樽とシェリー樽を使用しているのに対してNo.2はリフィルのバーボン樽のみとなっているのが両者の違いとなります。両方とも最低熟成年数は4年らしいです。名前からしてブレンデッドっぽいですがシングルモルトです。私はずっと勘違いしていました(笑)

 

カバラン蒸留所

 

カバランは2006年に蒸留を開始した比較的新しい蒸留所です。建設以前はウイスキー造り=涼しい地域が適している、というのが常識であった為、亜熱帯気候であるこの地でのウイスキー造りは無謀だと言われていました。しかし故:ジムスワン博士(簡単に言うと凄腕プロデューサー)から指導を受けてこの蒸留所を建設。蒸留から20年も経たないこの蒸留所は世界中の賞を総なめしており、世界的に高く評価されています。日本で開催されているTWSCにおいてもカバランのボトルが何本も殿堂入りとなっています。

暑い日には40度にもなるこの暖かい蒸留所では他の地域と比べ早く熟成が進みます。そのため熟成年数が短くても熟成感のあるウイスキーが作れるんですね。その反面エンジェルズシェアは驚異の年10%だそうです(1年で原酒が1割減る、通常は3%程度)。更にカバランでは熟成に良質な樽を使用していることもその高い品質に寄与しているそうです。また自社で作った酵母がカバラン特有のトロピカルフレーバーを生み出しているとか。

 

カバランのシリーズは大きく分けて2つ。「カバランコア」は四角いボトルで40%程度に加水された比較的安いシリーズ。今回のDSもこれですね。そしてカバランの目玉でもある丸いボトルの「ソリスト」シリーズ。こだわりのカスクストレングス、ノンチルフィルタード、ナチュラルカラーでボトリング。豪華な箱も付いてきます。その為お値段は軽ーく1万円は超えてきます。

ソリストのヴィーニョバリック、お値段2万円…!!

 

そんな世界的に賞を総なめしているカバラン。そのエントリーボトルはどれほどの実力なのか検証していきます。

 

テイスティング

香り

真っ先にバナナや南国のフルーツの香りがします。そしてバニラの甘い香りも強いです。その奥にバーボンの溶剤臭、麦芽、レーズン、りんご、そしてほんの僅かにミズナラ樽感があります。

アルコール臭は少なく、4年熟成のNAとは思えない熟成感です。

 

ストレート

口に含むとまずバーボン樽由来のエステリー感からきて、バナナ、トロピカルフルーツ、バニラ、麦芽の甘さが続きます。余韻も甘さ主体で蜂蜜、バナナ、僅かにレーズン。

アルコールの角は取れていて滑らか。香り同様に熟成感がしっかりあります。

 

ロック

※微妙に高価なウイスキーなのでストレートグラスでハーフショット飲んでいます

グラスを近づけるとよりシャープになったトロピカルな香り、そして生姜っぽい香りも出てきました。

味わいは甘さが一気に落ち着いて酸味とビターさが出てきます。この酸味はフルーツのオイリーな柑橘感ではなく、ビタミンCの粉末のような人工的でドライな酸味に感じます。強いてフルーツで例えるとグレープフルーツでしょうか…。とにかく嫌な感じが終始続きます。

加水が進むと更に酸味が増してきます。これはあまり冷やさない方がいいかもしれません。

個人的にこの人工的な酸味は苦手なのでロックはオススメしません。

 

ハイボール

雨だからか結露凄い…

ソーダで割ってもグラスを近づけるとトロピカルな香りがしてきます。

口に含むとやはりトロピカルフレーバーが口いっぱいに広がって、その後からレーズン、柑橘系の酸味、そして余韻はバニラの甘さで終わります。

ここまでトロピカルフレーバーを堪能できるハイボールは貴重ですし美味しいのですが、短期熟成の弱点なのか”深み”が無いかな、と思ってしまいました。

 

総合評価

エントリーボトルながらカバランのトロピカルな要素はしっかりと感じられましたし、熟成感も4年とは思えないものでした。スコッチの12年物にも引けを取っていません。

しかし深みが無いな、と感じる場面があったのもまた事実。やはり年月をかけることで生まれる要素はいくら熟成が早く進んだとて得られるものではないのかも知れません。

正直飲む前はこのNo.1でも高過ぎると思っていましたが、飲めば納得でした。「カバランを知る」「トロピカルフレーバーを感じる」にはもってこいの銘柄です。ウイスキー好きであれば5000円の価値は見出せると思います。

今回の値上げは痛いですが、Amazonは現在相場より安いですし、6月以降も在庫があるうちは価格据え置く酒屋さんもあると思いますので、安いお店を探してみるのもいいかも知れませんね。

 

香りトロピカル&バーボン
ストレート4年熟成とは思えない滑らかさ
ロックやめときましょう
ハイボールトロピカルでフルーティー
総合評価高いが経験として飲む価値あり

 

今回紹介したウイスキー↓
(画像をクリックするとAmazonの商品ページに飛びます)

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この記事を書いた人

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